専務が私を追ってくる!
「私のことはそんなに心配しなくても大丈夫。ちゃんと一人で生活できてるし、この子たちの面倒もしっかり見てるから」
いつもはもう一人いるけれど、私が面倒見てる側だし。
「本当かしら。でも確かに可愛いわね」
「すぐ大きくなっちゃうけどね」
母がこちらに来たので、可愛い顔をよーく見せる。
猫たちはますます愛らしく鳴き始めた。
「みゃーんみゃーん」
キョロキョロして何かを探している。
修が恋しいのだろうか。
母はよちよち歩きの2匹にすっかり心を奪われたようで、抱っこしたり撫でたりと夢中になってくれた。
これ以上の説教は免れるだろう。
ミキミカ、よくやった。
「お母さん、お風呂入るでしょ? 入れてくるから、猫たちと遊んでて」
「はいはい」
浴室へ行き、浴槽の栓をして風呂のスイッチをオン。
脱衣所へ出て、ふと洗濯カゴが目に入った。
カゴの淵にひっかかって入りきれていない男物のワイシャツとパンツが見えている。
さらに、カゴの下には男物の靴下が片方落ちている。
「げっ!」
脱いだらポンポン投げてちゃんとカゴに入れない、修の所業である。
修の荷物部屋の片付けだけで安心していたが、甘かった。