専務が私を追ってくる!

震えるミカをタオルで包み、隣の部屋へ走る。

私がバタバタするから、母に抱かれているミキもソワソワしていた。

ダイニングのテーブルに置いていた携帯を手に取り、無我夢中で修に発信した。

コール音が2回鳴り、修が応答。

『もしもし?』

彼の声を聞いたら、ぶわっと涙が溢れ出した。

「ミカが死んじゃう!」

『えっ、美穂? どうした? 何があった?』

「吐いたの。下痢もしてて、震えてて。どうしよう」

『とりあえず、病院に連れて行こう。先生もまだ起きてるだろうし、俺が電話しとくから、一人で行ける?』

「うん、行ける」

『大丈夫。大丈夫だから。死なないから。泣かないで』

「うん……!」

電話を切り、すぐさまミカを猫用キャリーバッグへ。

「私、病院行ってくる」

「この子は?」

「ウィルスだったらうつってるかもしれないし、ミキも連れて行く」

ミキは母に抱いてもらい、車で病院へ。

病院に着くと、修の電話を受けた先生が私たちを待ってくれていた。

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