専務が私を追ってくる!
「随分あなたに懐いてるのね」
ギクッ。
ヤバい。
このまま勘繰られると修と同居してるのがバレてしまう。
「彼にはよく面倒見てもらってるの」
「元々は僕が拾った猫だったので、かわいくて」
修もこのままにしておくと、普段一緒に生活してることを漏らしてしまいそう。
とにかく今日はこの二人を引き離さなければ。
今後の私たちの生活に支障が出ちゃう。
「ミカの治療も終わったし、そろそろ帰ろう。先生、時間外なのにありがとうございました」
「いえいえ。小さいうちは急変しやすいから、様子がおかしかったら夜中でも遠慮せずに電話して」
「はい。本当にいつもありがとうございます」
病院を出て、駐車場へ。
ミカを入れたキャリーは修が運んでくれて、私の車の後部座席に積む。
「修くん、ありがとう。私一人じゃ心折れてたよ」
「俺だって同じだよ。怖かったな」
「うん……」
私たちは互いを惜しみつつ、それぞれ自分たちの車に乗って、各々の自宅へ。
不安だから本当は修にいてほしかったし、修も家にいたかったと思う。
でも、母がいる間はダメだ。