専務が私を追ってくる!
翌日、空港にて。
私はこの日を今月の解禁日にして、母と共に空港へやって来た。
なぜか修も一緒に。
修は朝から私に電話をよこしてきて、
「俺がお母さんを空港まで送る」
と言って家に押し掛けてきたのだ。
修はニコニコ笑って母に構いたがる。
よっぽどこの母を気に入ったのだろうか。
奥様とタイプが似ているから、扱いに慣れているのかもしれない。
「修くんまで、わざわざ見送りありがとう」
「いえいえ。もう少しお話したかったのですが」
「お休みがあったら東京にいらっしゃいな」
「はい。いつか、美穂さんと一緒に伺います」
息子のいない母もまんざらではない様子で、私そっちのけで修と話し込んでいる。
このまま二人が仲良くなってくれたら嬉しい。
私が社長に良くしてもらっているし、母も修に良くしてくれたら、私と修もずっとうまくいくような気がする。
奥様との関係は、もう少し上手くやらないといけないとは思うけれど。
一人息子を溺愛しているあの奥様に、私なんかが取り入ることができるだろうか。
自信がない。