カルチャー
隙あらば私に構おうとする上川を追い払うのが、最近の休日の過ごし方になった。

住むところは一体どうなっているんだよ、本当に。

こっちから構ったら負けが目に見えているので言わない。

「ソノミンさ」

そう思っていたら、上川が話しかけてきた。

「何ですか?」

文庫本に視線を向けたまま、私は聞き返した。

「ソノミンって、今つきあってる人いる?」

そう聞いてきた上川に、
「その質問、今答える必要がありますか?」

私は聞き返した。
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