カルチャー
「年齢なんて気にしてたら、楽しめるものが楽しめなくなっちゃうよ?」

そう言って上川は、その長い指先で私のあごをつかんだ。

「な、何をするんですか…?」

逃げたくても、上川の長い指先が私を捕らえて離さない。

「園美」

上川が私の名前を呼んだ。

「俺のかわいい、園美」

もう1度私の名前を呼んだ上川の顔がだんだんと近づいてくる。

またキスされる…!

この状況から逃げたいけど、逃げることができない。

そうだ、私のあごを捕らえている上川の手を離せばいいんだ。

そう思ったけど、この手を離すことができない。
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