カルチャー
「ソノミン、どう?」

上川が聞いてきたので、
「まあまあです」

私は答えると、ナポリタンを口に入れた。

「えーっ、俺頑張ったのになあ」

上川は困ったと言うように笑った後、雑誌に視線を落とした。

何が頑張ったよ。

心の中で毒づいても、ナポリタンの美味しさは変わらない。

もうすでに気づいているとは思いますが…私と上川、実は一緒に暮らしています。

同棲ではありません。

つきあっていません。

私は女に追い出された上川を我が家に置いているだけなのです。
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