カルチャー
佐合が濡れた髪をかきあげて、上川を見つめた。

ヤバいぞ、これはケンカになるか?

ケンカになる前に何とか行動を起こさないと。

そう思って腰をあげようとした時、
「お前、人のモノに手を出して何をしようとしてたんだ?」

佐合が低い声で上川に言った。

えっ?

今、何とおっしゃいましたか?

私の聞き間違いじゃなかったら、佐合の口から“人のモノ”と言う単語が出てきたはずだ。

佐合と上川の間にいる新入社員の女の子は、彼らの様子にオロオロと困っている。
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