カルチャー
バスタブに溜まって行くお湯を見ながら、
「遅いな」

上川を待っていた。

近所のコンビニに行くのかと思ってたけど、違うところにでも行っているのかしら?

「先にお風呂入ってよ」

上川に合鍵を渡したことはないのに持っているんだし、先にお風呂に入っても文句は言われまい。

「って言うか、いつ作ったんだ?」

そう思いながら、服を脱衣カゴに脱ぎ捨てた。

「はあー」

お湯に浸かると、私は長く息を吐いた。

「何であんなことを言ったんだろう?」

酒のせいにしろ何にしろ、上川に踏み込んでしまったのは事実である。
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