桜舞う季節に ー君が教えてくれたことー
そんな日が一週間続いた、ある日。
私が学校から帰ろうとすると、
教室に私服姿の沙耶がやってきた。
「何?あの子」
「めっちゃ美人……」
「この学校の子じゃないよね?」
クラスメイトが騒ぎ出す。
沙耶は走ってきたみたいで、
息を切らせながら私の方に来た。
「絢香! 涼が、目覚ましたって!」
「えっ、本当?」
「うん! ね、急いで病院行こう!」
私はみんなの視線も気にせずに
沙耶に続いて教室を出た。