桜舞う季節に ー君が教えてくれたことー





私は、可愛くて、優しくて、


あったかい沙耶が大好き。





「涼、この部屋にいる。


 少ししか喋れないけど、元気だよ」





沙耶はそう言うと、


私の背中を思いっきり押した。




「うわっ……ちょっと、何?」



私は沙耶を軽く睨むと、


病室の中に入った。





「涼!」





その小さな個室にあるベッドで、



涼が横になっていた。





「あや、か………」




ちょっとは喋れるんだ。




久しぶりに聞いた


その優しい声に、安心する。




 
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