桜舞う季節に ー君が教えてくれたことー
「涼…! 一週間も、
どこ行ってたの!?
もうっ……心配したんだから……」
こんなことを言ったけど、
涼は何も悪くない。
「絢香、ごめん」
私は涼の手をぎゅっと握ると、
その手のひらにそっと口づけをした。
引っ込み思案な私が
こんなことをするなんて、
かなり珍しい。
「あっ……あやかっ…」
涼が寝たまま顔を赤らめる。
それをみて、私は自然と頬が緩む。
その日は、日が暮れるまで
涼のとなりで過ごした。