桜舞う季節に ー君が教えてくれたことー
「それでは、
来週の日曜日に退院です。
それまでは安静に
していてくださいね」
「はい」
先生が出ていくと、
私はすぐに沙耶に電話をした。
「もしもし、沙耶?」
『あ、絢香。どうしたの?』
「あのね……」
『うん』
「それがね……」
『……何?
もったいぶってないで、
早く言ってよ』
「ごめんごめん。あのね……
涼が退院できるんだって!」
『えっ! 本当に?』
「うん!ほんと」
『今から、病院行くね!』