桜舞う季節に ー君が教えてくれたことー



「いただきまーす!」


涼と沙耶と食べる昼食は、

いつもより何倍もおいしい。


「では、涼と沙耶の退院を

 祝しまして......カンパイっ!」


私がそう言うと、

みんなのグラスが机の真ん中で

カチャンと音をたてながら

ぶつかり合う。



「おいしいね」


「うん」


涼は料理に夢中で、

私が喋りかけても

一言しか返してくれない。


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