桜舞う季節に ー君が教えてくれたことー




「972円になりまーす」


レジの人がそう言うと、

涼がさっとお金を出す。


「えっ......、いいよ。

 私、自分の分は自分で.........」


「いいって」


涼はそう言って

買い物を済ませると、


袋の中からさっきのヘアピンと

ピンクの星のキーホルダーを


出して私の目の前に差し出した。



「はい」


「あ......ありがと」



私は涼の手からそれを受けとると、

ヘアピンを自分の頭につけてみた。



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