桜舞う季節に ー君が教えてくれたことー
「涼~……疲れた…」
私は始業式が終わると、
すぐに病院に向かった。
「お疲れ様」
涼は私に向かって
にっこりと微笑んだ。
「私……学校、行きたくないよ…」
「…何で?」
「だって…暑いし、疲れるし、
つまらないし……」
今日の校長先生の話は
やっぱり長くて、倒れそうだった。
夏休み中の過ごし方の
振り返りだとか、
いじめに関することだとか、
いろんな話があったけど
暑すぎて、話の内容が
全然頭に入ってこなかった。
その日はひたすら、
涼に学校であった事を話して帰った。