桜舞う季節に ー君が教えてくれたことー
それから、3日。
涼は、明後日に
大きな手術をすることが決まって、
体調管理のために個室に移った。
涼は、この手術が成功したら
完治の可能性が高いんだって。
涼がいなくても、鈴香のいる個室は
相変わらずにぎやかだった。
「えっ、じゃあ、絢香は涼の彼氏が
私だって勘違いしてたわけ?」
病室に、沙耶の声が響く。
「そうだよ…。だって、
沙耶、可愛いんだもん……」
私が涼に告白する前に、
沙耶さんと涼が付き合ってる
って思いこんでたことを
彼女に話したら、
予想以上に笑われた。
「私、ちゃんと彼氏いるから」
そう言ってふんぞり返る沙耶は、
本当に可愛らしい。