桜舞う季節に ー君が教えてくれたことー
「涼!絢香!大丈夫!?」
沙耶が真っ青な顔をして叫ぶ。
「だ、大丈夫だよ………。」
私が沙耶に今の出来事を話したら、
沙耶は焦って損した、と笑った。
こんなこともあるけど、
私は本当に幸せだなって思った。
だって、こんなに優しくて、
温かい仲間に囲まれて。
夏休み前の、
つまらなかった毎日が嘘みたい。
明後日は、涼の手術。
成功して、涼の病気が治って、
幸せな毎日が過ごせますように。
私は満天の星空に、そう願った。