桜舞う季節に ー君が教えてくれたことー
手術
いよいよ、涼の手術の日。
今日は日曜日で、学校も休み。
だから、私は一日中
病院にいることにした。
「涼、頑張ってね」
私は涼の手を握って、
手術室の前まで行った。
「あ、そうだ」
涼がそう言って、
自分の病衣のポケットから
四角に折られた紙を取り出した。
「僕が手術室に入ったら、読んで。」
私は涼からその手紙を受け取ると、
涼は手術室の中に入っていった。
「涼.........」
沙耶とふたりで、しばらく
閉まった手術室の扉を
じっと見つめていた。