キスから始まる方程式


「でもなぁ……。さすがに昨日のアレはまずかった……よね……」



机に顔を突っ伏した私の脳裏に、昨日の裏庭でのやり取りが浮かんでくる。


冷静になればなるほど、またやってしまった感が私の中にジワジワと広がって行った。



「翔、すっごく怒ってたし……。やっぱり……謝らなくちゃ……だめだよね……」



この前怒らせてしまった時のように、何事もなかったかのように翔が接してきてくれればよいのだが、今回は南條さんも絡んでいる以上前回と同じように事が運ぶとも思えない。


本当は謝るなんてものすごく嫌なのだが、そうも言っていられないだろう。



「とりあえず、まず翔に謝るか…」



不承不承ではあるがそう心に決めた私は、嫌なことをこれ以上考えたくなくてこの日は早めにベッドに潜り込んだのだった。

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