キスから始まる方程式


いったいいつまでこんな状態が続くんだろ……。



まるで出口のない迷路に迷い込んでしまったかのように、現状を打開する糸口さえ見出せない。



もしかしたら、明日も明後日も一週間後も一年後も、ずっと……ずーっとこんな状況が続くのかな……。



どうすることも出来ないもどかしさとやるせなさが、心の内に募って行く。


いつの間にか目頭がジワリと熱くなった。



「う~……っ、やめやめっ! いくら考えたって今は落ち込むだけだし!」



どんどん膨らんで止まらない不安を、無理矢理心の奥底に押し込める。


溢れ出た涙を振り払うように、自分の頬をピシャピシャと何度も叩いた。



「よしっ! 学校学校っと!!」



沈んた心を浮上させるように大きく一歩踏み出す。


翔が先程歩いて行った道をなぞるようにして、私も再び学校へと歩き出したのだった。
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