キスから始まる方程式
桐生君、また工藤さんと一緒にいるのかな。きっとそうだよね……。あれから毎日ベッタリだもんなぁ……。
2人が一緒にいる姿を想像しただけで、胸が張り裂けそうなくらいギリリと痛む。
そんな気持ちでとてもすぐさまメールの返事を返す気にはなれず、溜め息をつきながら携帯をパタンと閉じ強引に鞄へ押し込んだ。
明日は私の誕生日だから、せめて一緒にいたかったのにな……。
今日一緒に帰ったときに、明日の放課後だけは予定空けておいてって頼もうと思ってたのに……。
さすがに自分から「明日は私の誕生日なの」とは、まるでプレゼントを催促しているようで言いにくい。
それにプレゼントなどなくても、自分の誕生日に桐生君と一緒にいられればそれだけでよかったから、誕生日のことは告げずにそれだけを頼もうと決めていたのだ。
なんだか気が抜けてしまい、肩を落としながらのろのろと体操服を脱ぐ私。
すると麻優が「でもさ」と怒ったような口調で話し始めた。