キスから始まる方程式
そんな中、あまりの恥ずかしさに耐えかねたのか、桐生君が真っ青に広がる大空を仰ぎ見た。
太陽の光に照らされた桐生君がキラキラと輝く。
眩しい……
トクン、トクンと胸の鼓動が速さを増す。
どうしようもなく桐生君が愛おしくて大切で……。
私はそのまま引き寄せられるように、桐生君の腕にギュッとしがみついた。
「桐生君、大好きだよ」
心の底から溢れ出す想いを、そっと言葉にする。
「あぁ、俺も…… 愛してる」
とびきり甘い囁きと一緒に重ねられた、溶けるように熱い桐生君の唇。
桐生君の愛が、体中に浸透して行く。
そういえば、私はいつから桐生君に惹かれていたんだろう?
もしかしたら、初めてキスされた時から、桐生君の魔法にかかっちゃったのかもしれないね。
いつもはキスで終わる恋愛ばかりだったけど……。
そこから始まる、そんな恋もあるんだね。
この先また、迷ってわからなくなることもたくさんあるかもしれない。
けれどその時は、二人で何度でも答えを見つけていこうよ。
キスから始まった、君と私の素敵な恋の方程式だから──……
【END】