キスから始まる方程式
「は……はい~……?」
あまりにも突然のことに、その場で固まる私。
「あ、あの~……付き合うって、どこに……?」
「はぁっ!? どこにって、その付き合うじゃなくて男と女の付き合いに決まってんだろ?」
「……誰が?」
「だーかーらー、俺とお前がっ!」
「……私と……桐生君が……男と女の付き合い~っ!?」
ああああ、ありえないっ!!
「なんで私が桐生君と付き合わなきゃいけないのっ!? ぜぜっ、絶対無理っ!」
ここ半年ほど勢いで三人の男の子と付き合ってきたが、そんな生活にもいい加減疲れてしまった。
とてもじゃいないが、もう好きでもない男の子と付き合う気にはなれない。
しかも、それが校内一のモテ男ならなおさらだ。
他の女の子達から恨まれるなんてまっぴらごめんだった。
そんな全身から『嫌です』オーラを放つ私を見て、一瞬目を細めた桐生君が再び口を開いた。