キスから始まる方程式


「は……はい~……?」



あまりにも突然のことに、その場で固まる私。



「あ、あの~……付き合うって、どこに……?」

「はぁっ!? どこにって、その付き合うじゃなくて男と女の付き合いに決まってんだろ?」

「……誰が?」

「だーかーらー、俺とお前がっ!」

「……私と……桐生君が……男と女の付き合い~っ!?」



ああああ、ありえないっ!!



「なんで私が桐生君と付き合わなきゃいけないのっ!? ぜぜっ、絶対無理っ!」



ここ半年ほど勢いで三人の男の子と付き合ってきたが、そんな生活にもいい加減疲れてしまった。


とてもじゃいないが、もう好きでもない男の子と付き合う気にはなれない。


しかも、それが校内一のモテ男ならなおさらだ。


他の女の子達から恨まれるなんてまっぴらごめんだった。


そんな全身から『嫌です』オーラを放つ私を見て、一瞬目を細めた桐生君が再び口を開いた。
< 56 / 535 >

この作品をシェア

pagetop