キスから始まる方程式


「……いったい何が言いたいわけ?」

「おっ! 察しがいいな」



桐生君の瞳がキラリと妖しく光る。



「あいつに気持ち知られたら、さすがにもう幼なじみの関係じゃいられないよなぁ?」

「っ!」



こいつ、そんなことまでもう調べたの!?



悪魔のような笑みを浮かべながら、ゆっくりと私に近付いてくる桐生君。


すぐ触れられるほどの距離で止まったかと思うと、不意に顔を近付けてきた。



そして……



「あいつにバラされたくなかったら、どうすればいいかわかるだろ?」

「っ!?」



耳元にゾクリとするような声でそう囁いたかと思うと、私の頬にキスしてきたのだった。
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