キスから始まる方程式
◆冬真×七瀬=恋人同士?
「はぁっ……」
その日の放課後、ようやく一日の授業を終えた私は、今朝の出来事を思い出して大きな溜め息をついた。
なんか、とんでもないことになっちゃったなぁ……。
結局あのあと桐生君は、私のコートのポケットに手帳を突っ込み「またな」という言葉を残して去って行った。
一連の桐生君の行動に呆然としてしまった私は、付き合うとも付き合わないとも桐生君には伝えていない。
もしかして、これ以上しつこく聞いてこないということは私には選択肢がない……つまり、強制的にお付き合い決定、ということなのだろうか……?
ほっぺにキスもされちゃったんだよなぁ……。絶対ありえないっ……!
桐生君の唇が触れた頬をさすりながら、否定するように頭をブンブンと左右に振る。
「なんか頭痛くなってきた……。早く帰ろ……」
今日は体育館は他の部が使う日なので部活がない。
色々考えすぎて軽い頭痛を覚えた私は、今日はこのまま大人しく帰宅することにした。
「七瀬またねー」
「うん、バイバイ」
クラスメイトに挨拶をし、教室をあとにする。
「七瀬……」
「っ!?」
だがしかし、不運にもそんな私を瀬戸君が廊下で待ち構えていたのだった。