キスから始まる方程式
「じゃあっ、お前が七瀬の彼氏だってこと証明してみせろよ! それができたら諦めてやるよっ」
いやいやいや……無理ですから、それ……。
そもそも私と桐生君は正式に付き合っているわけではないし、ましてや証明なんてできるはずもない。
「あの、瀬戸君……」
見兼ねた私が口を挟もうと声を上げた瞬間
「ああ、いいぜ」
グイッ
「へっ……?」
桐生君の腕が私の腰を抱き寄せ、気が付いた時には唇が重ねられていた。