キスから始まる方程式


……え……? ……なななな、なにこれっ!?!?



突然のことに頭が真っ白になり完全に思考回路が停止する。


今自分の身に何が起きているのか、正確に把握することができない。



「んっ……んん……!」



私ってば……も、もしかして……キスされてんのっ!?



ようやくそのことに気が付いた私は、この状態から脱出しようとしたのだが……。


桐生君の腕に頭と腰をガッチリと押さえつけられ、いくら力をこめてもビクともしなかった。


ドキドキと心臓が早鐘を打つように鳴り響き、しだいに呼吸も苦しさを増す。



ん……っ、苦しっ……!



「んんっ……!」



どれくらいの時が経っただろうか。



……もう……もう限界っ!



ついに我慢できなくなりそう思った瞬間、不意に桐生君の唇が私から離れた。



「んっ……はぁっ……はぁっ……」



苦しげに肩で息をする私とは対照的に、桐生君は至って涼しげな顔をしている。



な、なんなのよいったい!! ……あ……そういえばっ!!



キスされた本来の趣旨を思い出した私は、慌てて瀬戸君のほうを振り返った。
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