キスから始まる方程式


「さてと……」



どことなく気怠そうな桐生君が、右手で前髪をかき上げながら私の目の前へとやって来た。


次々と巻き起こる衝撃の展開に頭がついて行かず、その場に呆然と立ち尽くす私。



しかし……



「桐生君……」

「ん?」



聞こえるか聞こえないかくらいの小さな声で、桐生君の名前を呼んだ次の瞬間……



バッチーン



「ぐあっ」



私の渾身の平手打ちが、桐生君の左頬へと炸裂したのだった。

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