キスから始まる方程式
し、知らないわよ! 翔の気持ちなんて私が聞きたいくらいだもんっ!
「半年も付き合ってるんだから、好きってことなんじゃないの!?」
「ふ~ん……」
半分キレ気味の私に対して、何事か考え込むようにしながら不服そうに返事をする桐生君。
「なんでそんなこと聞くのよっ」
「べつに。なんとなくな……」
「?」
私の問いかけにもイマイチはっきりとは答えず、なにやら難しい顔をしている。
気になって何度か聞くものの、一様に意味深な言葉が返ってくるだけだった。