キスから始まる方程式
◇甘いモノは苦手です
「七瀬、ナイスアタック!」
「うっしゃ~っ、絶好調!」
その日の放課後。
私はここ最近のストレスを発散するかのように、目一杯ボールに怒りをぶつけながら部活に励んでいた。
「麻優っ、もう一本あげて!」
「了解! いくよ七瀬っ」
「よっしゃ!そ~りゃぁっ!!」
ビシィッ
100%マックスのパワーで打ったボールが、地響きのような重い音を立てて次々とコートに炸裂して行く。
スパイクを受けるレシーバー達は皆、私の異様とも言える気迫にやや気後れした様子でボールを追っていた。