君とふたり暮らし。
 芦田亮太。ちょっと悪ぶった、クールな感じの人。まあまあ男前な方だと思う。私より一つ年上で専門学生らしい。私より先に入社してるけど、全然出勤しないからまだ一度も話した事がない。半年働いてて3回くらいしか見たことがない気がする。うちの会社のアルバイトは2パターンあって、私のようにフルタイムで入る人と、芦田くんのように学生だったり主婦だったりでパートタイムで入る人。それにしても芦田くんは出勤しなさすぎると思う。
「はい、ではお疲れ様です。」
 長い終礼が終わり帰ろうとした時、同僚に社食に寄って帰ろうと誘われ、付いて行った。うちの店はデパートの中に入っているので、デパート内に大きな社員食堂がある。
 社食の一角にはすでに早番で上がったスタッフや、休憩中のスタッフが集まっていた。うちの店のスタッフは皆仲がいい。店長以外は。私はこの和気あいあいとした雰囲気が大好きだ。
「お疲れ~。」
皆に軽く挨拶をし、空いてる席に座り煙草を取り出した。
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