君とふたり暮らし。

「で、何があったの？」
　早速本題に入る。奥村さんは、う～ん‥と、少し考えてから口を開いた。
「バイトから社員になって、個人予算も高くなって、頑張っても頑張っても、なかなか売り上げが伸びなくて‥。毎日店長とかリーダーにもっと社員の自覚を持ってバイトの子達にも指示ができるようにならなきゃって言われるし。私はもうこれ以上無理ってくらい頑張ってるのに‥。なんかもう、向いてないのかなって。もう辞めようかな。」
「え～！向いてないなんて、そんなことないよー！スッゴい頑張ってるし、売り上げもちゃんととってるじゃん！まだ社員になったばっかで気持ちに余裕がないだけだよ。こうゆうのは慣れだからさ、そのうち気にならなくなるって！私達もフォローするし、辞めるとか言わないで！一緒に頑張ろ？」
「そうだよ。店長達は怒るのが仕事だからな。あんまり気にすんなよ。店長には皆しょっちゅう口うるさく言われてるしさ。辞めるとか寂しいじゃん。」
「うん。奥村さんがいなくなるとか嫌だよ。それに店長やリーダーが言うのは、奥村さんがちゃんとできる人だからだよ。社員になったのだって、店長に誘われたからでしょ？見込みがあると思われてるんだよ！」