君とふたり暮らし。
 佐倉さんは一瞬、えっ?て顔したけど、うんって頷いた。
 俺達は店を出て、タクシーでマンションに向かう。少し手前のコンビニで降り、適当に飲み物とかをカゴに入れる。あっ、そうだ。
「これ、買わないと。」
 俺は女性物の下着を指差した。別にやらしい意味じゃなく、たぶん風呂にも入るだろうし、着替えいるだろ?
「そだね。」
 佐倉さんは、可愛いくない~と言ってケラケラ笑っていた。
 部屋に帰って、コタツに入り、コンビニの袋から買ったものを取り出し並べた。俺は下着を袋から出して佐倉さんに渡した。そしてその袋をタンスの上に飾り、これ記念ね、と言って笑った。佐倉さんはそれを見て、何の記念よ!とツッコミを入れて大笑いしていた。
「佐倉さんも、シャワー浴びてくる?」
「あっ、うん。」
 俺は先にシャワーを浴びてきた。ちょっと掃除もしたかったからね。
「あっ、メイク落としならあるよ。姉ちゃんが置いてったやつだけど。」
「ありがと。」
 あー、うちで女がシャワー浴びてるとか初めてかも。ちょっと興奮。
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