君とふたり暮らし。
 翌朝、目覚めると芦田くんはもう起きていて、キッチンに立っていた。
「ん‥おはょ‥。」
「あ、おはよ。今朝飯作ってるから。もうすぐできるよ。」
「えっ、あ、ありがと。」
 意外な事にちょっと驚いた。私は顔を洗って、昨日買った歯ブラシで歯を磨き、メイクを始めた。
「ご飯先に食べる?」
「うん。」
 メイクを中断し、コタツの上を片付ける。
「こんなのしかなかったけど、食べて!」
「十分だよ。ありがとー。」
 和食の朝食。ご飯と味噌汁、焼き海苔、ハムと目玉焼き。
 朝食を食べ終えると、メイクの続きをし、髪を軽くセットして着替えを済ます。今日は二人とも出勤だ。
「ここから店までどうやって行くの?」
「原付は昨日店に置いて来たしな。タクシーでもいいけど、時間あるし一緒に電車で行こうか?」
「うん、いいよ。」
 家を出て二人で駅へ向かう。同じ家から一緒に出勤するなんて変な感じ。しかも手なんか繋いじゃってるし。
「誰かに見られたら、絶対怪しまれるよね。」
「そうだな。」
 二人で仲良く出勤。こうゆうのもいいね。
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