君とふたり暮らし。

　芦田くんは嬉しそうにそう言った。簡単過ぎるメアドがちょっと自慢らしい。確かに、たった３文字のメアド。すぐに登録できた。私はそのメアドに自分の携帯番号を入力して送った。
「そういえば、佐倉さんってヤンキーなの？」
　何をいきなり。誰がヤンキーよ。
「は？何で？誰がそんな事言ってたわけ～？」
　確かに見た目は派手な方だけど、ヤンキーなんかじゃないっつーの。
「だって日村さんが言ってたんだもん。」
「はぁ～？」
　その時、ちょうど日村さんが社食にやって来た。日村さんは、メンズ服担当の社員さん。おちゃらけた感じで明るく楽しい人。
「ちょっと～日村さん！誰がヤンキーなんですか！」
「だってこないだ、夜中友達とコンビニにいたじゃん！」
「夜中コンビニに行ってたらヤンキーなんですか！？てゆうか、日村さんだっていたじゃん！」
「いやいや～佐倉はどう見ても、ヤンキー。」
「何で～！？」
「すぐ怒るとこ！と見た目。だってなんか気ぃ強そうだしーてか強いしー。」
　そんなやり取りを見て芦田くんはわざと、やっぱりヤンキーなんだね、と言って笑った。