君とふたり暮らし。
 なんか、嫌。なんで手繋いじゃってるの?ちょっとイライラした。佐倉さんは皆が騒ぐ声に目を覚ましたが、またすぐに寝てしまった。
 その後、皆次々とダウンし、俺と嶋村さんとメンズの社員・高田さんだけになってしまった。
「芦田くんさー、佐倉と付き合ったら?」
「え?」
 突然、嶋村さんにそう言われ動揺する俺。
「佐倉って、ちょっと尖ったとこあるじゃない?普通の人じゃ手に負えなさそうというか。芦田くんなら佐倉とちゃんと付き合っていける気がするのよ。それにさ、芦田くんも佐倉のこと結構気に入ってるんじゃないの?」
「あぁーまあ‥嫌いじゃないっすよ。」
「二人、最近急に仲良くなったもんね。」
 よく見てんな~と思って、少し関心した。
「付き合っちゃえよ!いいじゃん、佐倉さん。」
 高田さんまで。嶋村さんと高田さんは凄く楽しそうに、俺に佐倉さんを勧めてくる。俺は寝ている佐倉さんの頭に手を置き、顔を覗きこんだ。そして気付いたら言っていた。
「ねぇ‥。付き合おっか?」
 すると、佐倉さんはうっすら目を開け「うん‥」とだけ言って、頭に置いた俺の手をとり、ギュッと握ってまた寝てしまった。
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