君とふたり暮らし。

「今日、仕事終わったら飯食いにいかない？誰か。」
　芦田くんは皆に問いかける。一人暮らしの彼は外食が多いらしい。
「行く行く！」
　何人かが手を挙げた。
「佐倉さんは？」
「えっ‥じゃあ、私も！」
　そう言って笑った。そして母に〈今日は夕飯いらないから〉とメールを入れた。

　勤務が終わり、数人で職場近くの中華料理屋に行った。皆飲むわけでもなく、普通の定食を頼んで食べた。それにしても本当にうちの店のスタッフは仲がいい。会話が途切れることもなく、しょうもない話で盛り上がる。その日も私達は終電ギリギリまで騒いだ。

　それから私と芦田くんはたまに電話やメールをする仲になった。シフトが同じ日は、他にも誰か誘ってよくご飯を食べに行った。皆とそうやって過ごす時間は凄く楽しかった。