保育士は超アイドル！〜恋していいですか？〜

訳もなく携帯を取り出し、起動させる。
メールを見る。
ため息をつく。
着信もない。
LINEもない。
がっかりする。


「連絡先、聞いてなかったな」


ここ何年かで、これほどがっかりした気持ちになったことはない。
もう何回アドレス帳を指でたどっただろう。
あるはずもない、アドレスを探して。


「明日、明日、聞こう。そうよ。聞けばいいのよ。色々、用事だってあるし。そう。必要だもん。必要」


自分を納得させるように何度も頷くと、ミルクたっぷりのコーヒーをまた体に注ぎ込む。
いい言い訳が見つかったと、柚はかなり嬉しい気持ちになった。
仕事を絡めていけば怪しまれる事もないだろう。
なんて自然なゲットの方法だろう。
胸のドキドキはいつの間にか、ワクワクに変わっていた。