保育士は超アイドル！〜恋していいですか？〜

「えっ！」


『まさか！？』柚の心臓がドクンと音を立てて、胸の内っ側がザワザワと波立つ。
考えるより早く体が反応して、バッと顔を上げた。


『いた……』
夢じゃないよね。幻じゃないよね。思い込みがそうさせてる？
柚の頭はパニックになる。
『夢ならこのまま……覚めないで』


「徹夜？じゃないですよね？服、違うよね。あっ、コーヒー飲む？今、淹れようと思ってたんだけど。仕事の邪魔じゃなかったら」


そこにいたのは紛れもない、花畑 蜜。
その優しい笑顔は、今、柚に注がれている。


「あ……、はい。いや、あの、頂きます！コーヒー。飲みたかったんです。邪魔じゃないです。あの、全然！」


焦りながらいう柚を見て、黒ぶちメガネの奥の目が、にっこり微笑む。


「ちょっと待ってて下さいね」