保育士は超アイドル!〜恋していいですか?〜
「え?」


柚の体がいきなり何かに包まれた。
花畑 蜜の腕が、強く、でも優しく柚を抱きしめる。
突然の行動に柚は面食らってポカンとしている。


「そうだよね。そうなんだよ。子供って夢があるんだよ。そうなんだよ。未来の卵なんだよ。可愛いんだ。可愛いんだ!」


花畑 蜜の鼓動さえも聴こえそうな密着度。
柚の鼓動は破裂しそうなほどに大きく打っていたが、花畑 蜜は何も気にしていないように見えた。
ただ、柚の考えに感動して、共感して、感極まって、柚に抱きついている。
だが、柚はもう気絶寸前になっていた。


「柚先生、柚先生はやっぱり最高の保育士だよ。僕は柚先生と一緒に歩いて行く」


そう言って、少しだけ強く柚を抱きしめた。
気絶寸前だった柚はようやく我にかえる。


『い、い、今、なんて?』
柚の頭はパニックになり、状況に追い付けない。
< 67 / 109 >

この作品をシェア

pagetop