君のオレンジ〜あの日、あの教室で〜
「…り、涼介?」
名前を呼んでも
返事をしてくれない。
それでも
だんだんと涼介の顔は近づいてくる。
「り、涼介!
…ねぇ、涼介…?」
”怖い ”
「…っ、や…
…嫌だっ!」
いつの間にか
私は涼介のことを突き放してしまった。
「ぁ…!私…っ、ごめんなさい…!」
「……………」
涼介の表情は
悲しそうだった。
「ごめん…なさい…っ」
そうとしか
言えなかったんだ…。