君のオレンジ〜あの日、あの教室で〜
「ちさ…、ちさだよな…?」
そうだ
この人は、絶対にそうだ。
「…あ………
…あおくん?」
大好きな
ずっと大好きだった人。
「…うん。あおくんだよ」
ほらね。やっぱり、あおくんだった
去年のあの頃と何も変わってない。
丸くて、引き込まれそうなくらい綺麗な瞳
日差しに当たって茶色くなった髪
ぴょんと跳ねた寝ぐせ
日に焼けた肌
顔につくる、いくつもの傷
何にもかもが
あの頃のまんまだった。
あおくんは
私の幼なじみであり、
元彼だから。