君のオレンジ〜あの日、あの教室で〜
「久しぶり…だね。話すの」
「…ね、
去年ぶり。かな?」
彼の本名は
樫山碧威(カシヤマ アオイ)
幼なじみの私は『あおくん』と呼んでる
私とあおくんは
去年の、夏休みが終わる9月頃に
別れた。
「な。ほんと去年ぶり。
家も隣なのにな」
そう言って、あおくんは少し笑った。
それにつられて私も笑う。
「…あおくん。
声、低くなった?」
「ん?あぁ、声変わりな」
カッコいいと言うか、可愛い。
みたいな感じだった、あおくんが
今では大人っぽく見える。
背も…付き合ってたときは私と同じだったのに
すごい伸びてるのがわかる。
「背も伸びたね。何センチ?」
「今?今は161センチ。一気に12センチ伸びた!」
自慢気に言われたけど
私は全然伸びてなくて、ちょっと悔しかった。