Roman



養女、ようじょ、ヨウジョ

頭の中で単語を何度か読み返し、玄は一つ瞬きをした。

「姉さんが?」
「はい」
「この世界の?」
「はい」
「……王の養女?」
「…まあ簡潔に述べると、Romanの姫様でございますね」

覚えたての言葉を不思議に思い、親へ問い掛ける子供みたく玄は疑問を囁く。

「この世界は、本当に可笑しなことが起こりすぎだ」
「あちらの環境と違い、飽きないでしょう?」

からかっているのだろうか。白燈の言葉一つ一つに、何か嫌味のような欺くような声音が交じっていることに…玄は気が付いた。

「…疲れるよ」

深い意味を込めて返してみる。しかし「そうとも言えますね」と軽くあしらわれ、結局は白燈のペースに乗せられてしまった。
紳士的な見た目によらずかなりの腹黒なんだな、と、玄は渋々苦笑いを浮かべた。



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