君の傍。


まったく堪えていない奏丞に苛立った涼は、ちょっといたずらしてみることにする。













「昼飯。」











・・・。






一瞬の間の後、彼は焦ったように口を開いた。








「な!!!奢れってか!?」



昼飯としか言っていないのに、勝手に“奢れ”と脳内変換したらしい彼は、憤慨する。










無理だからな!!!



今月はピンチなんだ!!






そんなことが後ろから聞こえる。








涼はその様子が面白かったのか、くすっと微笑った。




そして、口を開く。









「ジョーダンだよ、ジョーダン。」




その言葉に心底ほっとしたような顔をする。






ムカ。








「ンな顔してると本当に奢らせるぞ?奏丞。」





「わー!!!!!それだけはマジ勘弁!!!!!!」



あまりにも必死な奏丞を見て、涼は笑う。



「わーったよ。」

< 12 / 67 >

この作品をシェア

pagetop