君の傍。
りょーちゃんのあんなつらそうな表情を見た瞬間、何も考えられなくなった…………
ツライ……
カナシイ……………
そんなこと思うよりも先に身体が動いた。
「りょーちゃん!」
李夜桜は涼が出て行ったドアから急いであとを追った。
そんな李夜桜を見ていた二人の瞳。
一人は勿論、奏丞で。
もう一人は、穗邑。
まるで、浅ましいものを見るような目。
その役目にはふさわしくない。
そんな目だった。
奏丞は、李夜桜のあとを追った。
教室を出ていくときに穗邑を睨むことを忘れずに。