君の傍。
キーンコーン
カーンコーン………
「終わったぁ!!!」
クラスメイトたちが嬉しそうにはしゃぎながら帰る準備をしている。
………涼くんがいない時のクラスメイトたちはのびのびしている。
別に涼くんが悪い訳ではないのだろうけど、どうしても緊張してしまうらしい。
『かっこいいし、綺麗だから分からなくはないけど…………』
↑人には言えない
それが涼くんを傷付けると分かっていても、変えられない自分を何度恨めしく思ったか、分からない。
「涼くん家、行かなくちゃな…」
奏丞はため息をひとつつくと、涼の鞄を手に、教室から出ていった。