Pair key 〜繋がった2つの愛〜

*side 愛音*


側にいたい。傍にいさせて――


そう言っておきながら、生涯という長い期間については確約できなかったわたし。

(だってそうでしょう?今どき結婚の誓いだって守られないことが多い時代なのに、そんな約束……簡単にできると思う?)

無理だと思った。守れる自信がなかった。
おそらくは20年以上もの長い間、俊哉さんの側を離れず、なのに重石でいるだけなんて、わたしにはできっこない……
わたしはとても我が儘で、臆病で、とてもとても欲張りだから、もっともっとと望んでしまう。

謙虚なのは最初だけ……わたしは自分の幸せのために、俊哉さんを束縛し、恋人や重石なんていう地位では満足できず、更なる特別な立場を望むだろう。

いつだったか彼が言っていた、仕事上でのパートナー。それにありつけるのは最高に名誉なことだと思う。

だけどわたしは、仕事の地位よりプライベートを優先したかったし、俊哉さんの仕事をしている姿も大好きで、とても尊敬してるけど……でもそれだけでは物足りない。


(ここまで来たらもう後には戻れないのよ……)



それほどまでに深く、彼を愛してしまったから――



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