Pair key 〜繋がった2つの愛〜
しばらくして、ワンピースの背中のファスナーが更に下へとおろされて、腰のあたりに俊哉さんの手が触れる。
また新たな刺激が来るのかな……と、ほんの少しだけ縮こまるようにして身構えた。
だけどその後、いくら待っても何も無い。おまけに押さえつけられていた髪や肩に負荷がなく、いつの間にか解放されていることに気が付いた。
それでようやく、俊哉さんを窺い見る。でも、わたしをジッと見つめるその表情からは、何も読み取れなかった――
「――どう、したの?」
「……痛くないか?」
「そりゃあ、それなりに痛い……けど――」
「けど……なんだ?」
「もしかして……俊哉さんも痛いのかな、って思って……だから……」
「…………お前は、馬鹿な女だな」
そう言った俊哉さんは笑ってた。
冗談っぽくでも、馬鹿にしている風でもなくて……
吸い込まれそうなほどに柔らかで、それでいて真摯な笑顔だった――